水族館句会 三月 兼題 芽 灯

水族館句会三月


兼題 芽  灯




◎◎◎○30 涅槃講渋紙色の灯をかかげ 柚香

◎◎○○○○○26燈明を足せば濃くなる春の闇 お軽

◎◎○24 灯を消して鍵掛けて蟇穴を出づ  九鼠

◎○○13 がやがやと風通りけり木の芽山  柚香

◎○○14 芽木明かり故人ばかりが夢に来て  九鼠

◎○○23 吊るし雛家の隅々灯されて  織女

◎32 春灯小さき詩の生れ来し          真里子

○○○○7鳥の目のどこか一途に名草の芽     真里子

○○○33 タラの芽の摘み溜めてあるヘルメット  柚香

○○1 甘草の芽三つまで摘んで微熱の日    おるか

○○3 生きる日の風織り重ね芽の柳    洗濯機

○○9 芽吹山御陵の主まだ醒めず    九鼠

○○16 袂からそつと文出す春灯        案山子

○○17 近松の浪速ぞ春の灯がこぼれ    お軽

○○20 命名はあかりと決まり雛の宵     桑

○○21 ことごとく海に向きゐる挿し芽かな 織女

○2 鉢に水遣る何の芽かわからねど     KUMI

○4 白濁の水音木々の芽吹きけり     芽茶

○10 わが窓も町のひとつの春灯し    KUMI

○11 木の芽雨四五年前の写真見る    お軽

○15 朧気の柳は芽吹く気配かな    案山子

○18 卒業の後の十年校舎の灯        芽茶

○19 風音の雛の間夜もすがら灯し    おるか

○28 春の夜の灯ともす船の一つがわれ    織女

○29 五臓六腑四肢を大事に木の芽冷    桑

○31 春灯や生活の音のやはらかく    真里子

5 鐘の音や水底に春灯の町        おるか

6 竹林や芽を探りをる足のうら    案山子

8 木の芽時こゝろひらかぬ猫と留守    洗濯機

12 つきつめられぬことや花芽のネコヤナギ 洗濯機

22 桜の芽日にけに紅をふくらませ     桑

25 街灯やきさらぎの闇滲ませて     芽茶

27 大銀杏芽吹く戦火の舐めし街     KUMI